ごはんぐるり
ごはんぐるり
西加奈子 著
文春文庫 560円+税
☆☆☆☆
著者、西加奈子さんの「ごはん(食事)」に関する33のエピソードを集めたエッセイ。巻末には、「奴」という食べるとは何かを考えさせられる短編小説、そして文庫版特別対談も収録されている。
キラキラしていない、きっちりもしていない、もちろん洗練もされていないごはんに関するエピソードに、読んでいて、ほっとした。そして、うんうんと頷いたり、ほぉっと息を吐いたり、わぁっと目を輝かせたりしながらあっという間に読んでしまった。まだまだ読んでいたかった。まだまだ西さんの目を、舌を、文章を通して「ごはん」を読んでいたかったと思った。
ガサッとしたあたたかさを感じ、読んでいて落ち着くエッセイ。
こだわりがなく、でもこだわりがあって、食べることが好きな人に、是非読んでほしい。