天才はあきらめた
天才はあきらめた
山里亮太 著
朝日文庫 620円+税
☆☆☆
山ちゃんがお笑いにストイックだということは、いつかのテレビ番組で見たことがあったけれど、この本を読んで、ここまでストイックだったのか!!と驚いた
山ちゃんのテレビ番組での他者のコメントへのツッコミ方、切り返し方。そのワードチョイスのセンス、素晴らしさはみなさんご存知の通りである。才能だなぁ〜!!と思わずにはいられない。
私はその才能ゆえに、山ちゃんはスルッと今の芸能界でのポジションや仕事を獲得できた人なのだと思っていた。
しかし!この本を読むと、
「山ちゃんって、こんな不遇の時代があったの!?」
「山ちゃんって、こんなに思い悩んでた時期があったの!?」
と、山ちゃんの数々の苦労や努力を知ることになる。
山ちゃんは本書の中で、自分には才能がないから努力するしかなかったという主旨のことを最初から最後まで書き続けているが、いや、違う!!!そうじゃない!!と私は思う。
山ちゃんは才能がある。やはり、よく言われるように、才能とは努力できる能力なんだ!!!
また、この山ちゃんの数々の努力の跡が記されている本を読んでいると、自分がいかに自分に甘いのか、いかに自分に言い訳をしているのか痛感させられる羽目になる。
山ちゃんいわく、
「自分って駄目なんだなぁ……」という無駄な悩みの時間を短くすることが大事らしい。そのために、普段から自信貯金を貯めておいて、くよくよしてしまいそうな時に使うらしい。
なるほど!!
このような、山ちゃん流 努力するためのノウハウがこの本には他にもたくさん記されている。
意図しているのかしていないのか、この本は自叙伝かと思いきや、読み方によってはビジネス書・自己啓発本にもなり得るポテンシャルをもっているのである。
最後に。
この本の解説は、オードリーの若林正恭さんが書いている。私はこの解説の中の
あの実力があって慕われていないとなると、よっぽど人望がないのだろう
という一文が好きすぎる。オードリーのネタをYouTubeで見返そうと思った。